松本城プロジェクションマッピング2025 体験記|幻想的な光に包まれた国宝を堪能

先日紹介した「国宝・松本城 プロジェクションマッピング」
紹介をと思い、色々と情報収集をしてみると毎年プロジェクションマッピングの技術が向上しているみたい…
と、いう事で気になってしまったので、実際に見に行ってまいりました。
本記事では実際にこの「国宝・松本城 プロジェクションマッピング」を体感して気づいた事や感想をご紹介していきたいと思います。

松本城とはどんな城?

松本城は、戦国時代末期から安土桃山時代にかけて建造された現存天守を持つ貴重な城郭です。
深志城を前身とし、小笠原氏、石川氏、松平氏など様々な城主の手に渡りながら、その姿を現在に伝えています。

歴史

  • 深志城: 戦国時代の永正年間に、信濃守護職小笠原氏によって築城されました。

  • 松本城への改名: 天正10年(1582年)に小笠原貞慶によって松本城と改名されました。

  • 石川氏による改修: 石川数正・康長父子によって大規模な改修が行われ、現在の天守の原型が完成しました。

  • 江戸時代: 松平氏、堀田氏、水野氏、戸田松平氏などが城主を務め、それぞれ城の改修や城下町の整備を行いました。

  • 明治時代: 廃藩置県により廃城となり、一時荒廃しましたが、市民の保存運動によって守られました。

特徴

  • 現存天守: 姫路城、彦根城、犬山城、松江城とともに、国宝に指定されている五つの天守の一つです。

  • 黒と白のコントラスト: 外壁の黒漆喰と白漆喰のコントラストが美しく、荘厳な雰囲気を醸し出しています。

  • 複雑な構造: 連結式望楼型と呼ばれる複雑な構造を持ち、防御性にも優れています。

  • 歴史的価値: 戦国時代から江戸時代にかけての歴史を物語る貴重な遺構であり、日本の城郭建築の変遷を知る上で重要な存在です。

プロジェクションマッピングとは?

プロジェクションマッピングとは、プロジェクターなどの映写機器を用いて、建物や立体物などの表面にCGなどの映像を投影する技術です。
従来の映画のように平面のスクリーンに映像を映すのとは異なり、凹凸のある立体物に映像を重ね合わせる(マッピングする)点が大きな特徴です。

プロジェクションマッピングは、光と影を巧みに利用することで、奥行きや立体感を強調し、まるで物体そのものが動いたり、変形したりしているかのような錯覚を生み出すことができます。
また、時間や場所、季節に合わせて映像を変化させることができるため、多様な表現方法が可能です。

プロジェクションマッピングの起源

プロジェクションマッピングの起源は、1960年代に遡ります。
ディズニーランドのホーンテッドマンションで、幽霊の映像を壁に投影したのが始まりと言われています。
その後、1990年代には、映像技術の発展とともに、建築物や立体物に映像を投影する技術が登場し、プロジェクションマッピングとして知られるようになりました。

プロジェクションマッピング体験記

昼間の松本城

昼間の松本城の魅力は何といっても「建築美」です。
現存する天守閣の中でも五重六階構造の天守はここ松本城と兵庫県姫路城のみ。
そんな松本城の建築美についてまとめてみました。

  • 黒と白のコントラスト: 外壁の黒漆喰と白漆喰のコントラストは、他に類を見ない美しさを誇り、荘厳で力強い印象を与えます。特に、黒漆塗りの天守は全国的にも珍しく、松本城の大きな特徴の一つとなっています。

  • 連結式望楼型天守: 複雑な構造を持つ天守は、防御性にも優れており、当時の建築技術の高さを物語っています。各層の屋根が巧みに組み合わさり、美しいシルエットを生み出しています。

  • 美しい庭園: 本丸庭園は、四季折々の花が咲き、訪れる人の心を和ませます。天守を背景に、美しい景色が広がります。

  • 水堀: 城の周りを囲む水堀は、美しい景観を作り出すとともに、防御の役割も果たしていました。水面に映る天守の姿は、息をのむほどの美しさです。

これらの要素が組み合わさることで、松本城は他に類を見ない独特の美しさを放っています。
ぜひ実際に訪れて、その目で確かめてみてください。

プロジェクションマッピング体験レポ

実際に目にするまでの期待感

プロジェクションマッピングについては記事の作成にあたり、情報収集の為、例年のプロジェクションマッピングの画像を見ていたので期待値は高めでした。
画像では色彩が鮮明になる加工や調整ができるので若干ここまで綺麗に見えるのか?と疑う部分も正直ありました。
しかし、歴史と現代技術が創り出す空間はどんなものなのか?とワクワクもしていました。

駐車場へ到着

松本城近くの駐車場に到着したのは日没から一時間経過後の18:20頃。
この日の松本市の気温は予報では18時で約4.6℃となっていましたが車の温度計は1℃。
体感でもかなり寒く感じました。

利用した駐車場は「東洋計器 大手門駐車場」。
駐車場の幅は広めに設定されていますが場内の通路はやや狭め。
場内の周回時、すれ違いには注意が必要です。

駐車場の歩行者出入口にはこんなマップが↓

松本城含めた周辺観光情報が
是非、参考に!

松本城へ向けて歩みを進める

駐車場を出て、いよいよ松本城へ向けて歩きます。
駐車場に入る時も驚きましたが、松本城へと向かう大名通りでは街路樹のイルミネーションが!

プロジェクションマッピングを前に、こちらの通りのイルミネーションに既に心奪われてしまいました。
街路樹のイルミネーションが幻想的な雰囲気を演出していてロマンチックでした。

いざ、城内へ!

駐車場から約3~5分程度で松本城入口へ到着します。
実は松本城交差点から既に天守の一部が望む事が出来ます。
信号待ちしている時に既にプロジェクションマッピングの一部が見え、「おお!やっている!」と期待が高まります。

城内へ入り、松本城天守に向かう前、目を惹かれたのがこちら↓

城内正面入り口から入り直進すると拝見することができます。
こちらも天守に負けず劣らずのプロジェクションマッピングを見る事が出来ます。
こちらは天守と比較して人の混雑が少ないので混雑を避けて見たい。撮影したいという方にはこちらがおススメです!

城門でのプロジェクションマッピングでも第三期のテーマ「春、咲き誇る花々」に合わせた花を中心としたプロジェクションマッピングになっていました。

松本城天守とついに対面!

城門のプロジェクションマッピングを見た後、いよいよ天守のプロジェクションマッピングを見る為に移動。
天守への道の途中でも庭園の木々にもイルミネーションがされており、城門や天守とは異なった雰囲気が演出されています。

こちらのイルミネーションは数分でライトの色が変わります。

庭園のイルミネーションを抜けると天守閣とお堀とご対面!

まず… 一言…
「圧巻!!!!」
普段目にしていた松本城がここまで現代技術によって異なる表情を魅せるのかと驚きました。
普段は白と黒のコントラストがこれまでの歴史を象徴していますが、プロジェクションマッピングでは普段の表情とは異なり、色鮮やかなマッピングにより松本城が普段とは違う鮮やかで美しい表情を魅せてくれました。

更に感動した点はこれまでの歴史を刻んできた天守が現代の技術と融合することで幻想的な松本城だけの世界観が創出されるということです。
音楽に合わせて変わる映像が幻想的な世界を演出し、この歴史ある建物と現代技術の融合した空間に一気に引き込まれました。
その場に訪れた人のみが肌で目で、耳で感じる事が出来る世界観。
これは是非、一度体感していただきたいと思います。

そして驚きの一言であったのがプロジェクションマッピングの「技術の凄さ」です。
平面ではない凹凸のある建築物では一般的に写すと歪んでしまう為、緻密に計算して投影する必要があります。
特に歴史的建造物である松本城では五重六階構造であり、凹凸が各階にあります。
そんな中、鮮やかで立体感のある映像を映し出す技術に圧倒されました。

子供たちも引き込まれる幻想的な世界

プロジェクションマッピングには多くの家族連れが来場されてました。
特に天守閣のプロジェクションマッピングでは天守閣・石垣が一望できる場所に多くの人が集中する他為、お子さんは肩車されてみられている方も多くいらっしゃいました。
見ている方々からは「凄い!」や「綺麗」という声が上がり、見ている人々が皆、この幻想的な空間を楽しんでいました。

更に、お子さんにとっては楽しい場所も!
それが、松本城正面入り口付近にある「動きに合わせて映像が変わるプロジェクションマッピング」です。
特定の場所を踏むと映像が変化したり、ユニークな演出で子どもたちを楽しませていました。
子どもだけでなく大人も楽しめるイベントです。

撮影スポット・コツをご紹介!

見て楽しむのに加えてこの瞬間を振り返る為、知人に紹介する為には写真・動画撮影が欠かせません。
綺麗に美しく撮影するためには撮影スポットを押さえておきたいですよね!
私自身が撮影して感じた個人的撮影スポットをご紹介します。

① 全体を収めるならやはりここ!

まずは全体を満遍なく撮影するのにおススメなスポット。
絶景ポイントはこちら↓

この円の中であれば広角などにしなくてもしっかりと全体を画角に収める事が出来ます。
最も撮影に適した場所と言えるでしょう。
しかし、全体を画角に収める事ができる為、かなりの撮影人気スポット。
実際、訪れた際も人が集中しており、お堀の反射まで写真に収める事はここではできませんでした。

② 混雑を回避して全体を立体的に撮影したい方はこちら

混雑を避けながら全体を画角に収められるポイントも勿論あります。
それがこちら↓

先にお伝えしたスポットとは異なりますがしっかりと全体を画角に収める事が出来ます。
こちらのスポットではお堀の反射を撮影することはできませんのでごご了承ください。
混雑を回避して撮影したい方におススメです。

撮影時のポイントは「全体をしっかりと撮影できるので月も画角に入れ込む」です。
このスポットでは通常の倍率でもしっかりと全体を撮影可能なので全体を撮影することに加えて、月を画角に入れ込む事ができれば美しくも儚い幻想的な一枚を撮影できます。

③ お堀の反射+混雑回避はこちらがおススメ

全体を立体的に収める事はできないものの、混雑を回避しつつ全体+お堀の水の反射をしっかりと画角に収める事が出来るポイントがあります。
そのスポットがこちら↓

上記スポットでは立体的には撮影できないものの、多くの方は①でのスポットに集中しているので混雑していません。
更に松本城を正面から撮影できる事に加えてお堀の反射をしっかりと撮影することができるのでまさに「穴場スポット」です!

ポイントはやはり「反射した松本城を画角に入れ込む事」
この点を押さえて撮影すれば美しい一枚を撮影できます。
更にこのスポットでは柳の木が垂れ下がっています。
この木の枝を画角に入れ込む事ができれば風情ある写真を撮影することも!
是非、チャレンジしてみて下さい!

④ 幻想的な雰囲気を撮影したい方はこちらがおススメ

一方で幻想的な空間を撮影したい方はこちらのスポットがおススメです。

こちらは正面入り口からは離れており、遠いですが幻想的な空間を撮影するには非常におススメです。
撮影のポイントは「埋橋(うづみばし)を正面に松本城をバックに撮影する」点です。
こちらの埋橋でもライトアップが行われており、数秒から数分で色が変わります。
個人的におススメなのはライトアップが赤に変化した時。
元々の橋の赤が更に際立って幻想的な空間が演出されるのでおススメです。

体験を通して

息をのむほど美しい、幻想的な空間。
そこに立っていると、まるで時が止まったかのような、不思議な感覚に包まれました。
古来の建築技術の偉大さ、そして現代技術の凄さ。
その両方が融合して、この素晴らしい空間が創り出されているのだと、改めて感動しました。

そして、強く感じたのは、こうした歴史的遺産を未来へと繋いでいかなければならない、という使命感でした。
歴史的建造物は、私たち現代人に癒しを与えてくれるだけでなく、新たな価値を生み出す源泉でもあります。
過去から受け継がれてきた技術や想いが、私たちに何かを語りかけてくるような、そんな感覚。
今回のイベントを通して、古来の建築技術の凄さと、それを支える現代技術の発展の素晴らしさを、肌で感じることができました。 どちらか一方でも欠けていたら、この感動は生まれなかったでしょう。

過去と現在。
それぞれの技術が織りなすハーモニー。 その美しさに、私は心を奪われました。
この素晴らしい体験を胸に、これからも歴史的遺産を大切に守り、未来へと繋いでいきたいと思います。

周辺施設はどうなっている?

周辺施設はどうなっていたのか。
訪れた際の状況をご報告します。

周辺施設の多くは閉まっていた

松本城へ訪れたのが18:30頃。
この時既に松本城へと続く大通りはお店はほとんど閉まっていました。
開いていた場所は駐車場横の飲食店「かぐや」さんと「松本市立博物館」。
松本市立博物館では松本ゆかりのお土産物屋やカフェが併設されていました。
数多くの松本ゆかりのお土産がありました。

更に松本市街へ足を運ぶと縄手通りが

こちらも多くのお店が閉まっており閑散とした雰囲気。
飲食店が二件ほど営業しています。
縄手通りで営業している飲食店はこちらの記事をご覧ください。

多くの場所がプロジェクションマッピング前の17:00頃に閉店する様です。
飲食店などをお探しの方は松本市街に移動する事をおススメします。

まとめ

先日ご紹介した「国宝・松本城 プロジェクションマッピング」に、実際に足を運んでみました。
写真で見るよりもはるかに美しく、そして壮観。
言葉では言い表せないほどの感動が、私を包み込みました。

歴史と現代技術が織りなす、幻想的なハーモニー。
それはまるで、過去と現在が手を取り合っているようでした。

松本城の荘厳な姿に、プロジェクションマッピングの光が重なり合うことで、新たな魅力が引き出されています。
昼間とは全く異なる表情を見せる松本城は、息をのむほど美しく、時間を忘れて見入ってしまいました。
この感動は、写真や動画では決して伝えきれません。
ぜひ、ご自身の目で、肌で、全身で、この幻想的な空間を堪能してみてください。

プロジェクションマッピングは今週末まで!
さあ、この週末は信州、松本で、時を超えた幻想的な体験に身を委ねてみませんか?
きっと、忘れられない思い出になるはずです。